🔹【1. 古物の定義と分類】
古物とは、おおむね一度誰かの手に渡り、再度流通する品であり、「中古品」や「アンティーク」とも関係があります。
主な分類：
- 美術品（絵画、書、彫刻など）
- 工芸品（陶磁器、漆器、刀剣など）
- 骨董品（家具、日用品、貨幣、時計など）
- 民具（昔の生活道具）
🔹【2. 世界における古物の歴史】
● 古代文明と古物
古代エジプト、メソポタミア、中国、ギリシャ、ローマなどでは、既に高度な工芸や芸術品が制作されており、それらが後世に「古物」として評価されるようになりました。
- 古代ローマ人は、ギリシャの彫刻などを蒐集していたことが知られています。
- 中国では、宋代からすでに古陶磁や青銅器を蒐集する「収蔵文化」が栄えました。
🔹【3. 日本における古物の歴史】
● 平安時代以降
- 「名物（めいぶつ）」と呼ばれる名刀や名器（茶道具など）が重んじられ、貴族や武士階級が蒐集。
- 平安〜鎌倉時代には、仏教美術や装飾品も重宝されました。
● 桃山〜江戸時代
- 茶の湯文化の隆盛とともに、茶道具や古陶器が「わび・さび」の美意識とともに重視される。
- 古筆や掛軸、焼き物などの価値が定まっていく。
● 明治以降
- 西洋文化の流入とともに、古美術品の海外流出が進む。
- 一方で、博物館や美術館による保存・展示の動きも活発に。
🔹【4. 現代の古物市場と法律】
- 日本では「古物営業法」により、古物商は公安委員会の許可を得る必要があります。
- フリーマーケットやネットオークションなども、近年では重要な古物の流通経路に。
- 一部の古物は文化財に指定され、国による保護の対象に。
🔹【5. 古物の文化的価値】
古物は単なる「古いもの」ではなく、以下のような意味があります：
- 歴史の証拠：当時の技術、生活、文化を知る手がかり。
- 芸術的価値：美術・工芸の粋が集まったもの。
- 精神的価値：使われた人々の思いが込められたもの。
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