鉄道模型やSL模型など貴重性が高く。高価で取引されています。
日本国内市場の現状と動向
- 市場規模:
- 2020年度には約99億円(国内出荷額)であり、そこから2023年度には約130億円へと成長。前年比約2.4%増の見通しです 。
- ※2021年には約118億円だった市場が2023年に130億円程度まで回復 。
- ユーザー動向:
- 2023年時点で、鉄道模型のユーザー数は約39万人で、1人あたりの年間消費額は約21,300円と推定されています。一方で2022年には48万人・71,000円にも達しており、ユーザー数と支出額は年度によって変動が大きく、一部分析には慎重さが必要です 。
- アンケートベースでは「鉄道模型オタク」を自称する層の平均年間支出額は約25,900円、約45%が「年間支出ゼロ」という結果もあります 。
- 構成と規模:
- 規格別では、Nゲージが約75~80%、HOゲージが約15%、残りがZゲージや大型スケールなどです 。
- 主力メーカーはKATO(関水金属)とTOMIX(トミーテック)で、二社で国内市場の75%を占めています 。
- 需要の変化:
- コロナ禍の「巣ごもり需要」では、高額車両からレールやストラクチャに消費が一時シフトする傾向も見られました 。
- 実際には「レンタルレイアウト」など、模型を「走らせる」体験を提供するサービス需要が徐々に拡大しています 。
🌍 世界市場とグローバルトレンド
- 世界全体の規模感:
- 2023年時点で鉄道模型市場は約25億ドル(約3,300億円)に達するとの予測もあり、コレクター/趣味層を中心に安定したニーズがあります 。
- KatoやMärklin、Bachmannなどの主要ブランドが牽引しており、特にデジタル制御技術や高精度モデルへの需要が高まっています 。
- 趣味人口の変化:
- Redditなど海外のフォーラムでは、趣味としての鉄道模型は衰退どころか多様化・活性化しており、3Dプリントや小規模ブランドの参入で盛り上がっているとの声も多数あります。
- 「中古市場や自作派ユーザーが増えており、小規模市場ながら持続可能なエコシステムが形成されている」傾向があるとの見解もありました。
🚂 蒸気機関車モデル(SLモデル)の需要
- 日本では、C62、D51などの蒸気機関車モデルがKATOやTOMIXから継続してリリースされており、**限定品や特注セット(例:8620型「SL Hitoyoshi」など)**にはコアなコレクター需要があります。
- ディスプレイ性の高いHOゲージ(主にTenshodoやKATOの大型シリーズ)が好まれる中、価格帯は数万円~数十万円級も存在し、初心者向けの低価格Nゲージも人気です。
- 特に日本文化や鉄道人気を背景に、国内外の観光客や鉄道ファン向けの限定蒸気機関車アイテムには一定の安定した需要があります。
✅ 今後の展望とまとめ
項目 | 現状 | 今後の見通し |
---|---|---|
市場規模 | 2023年度は約130億円(国内)/世界では3,300億円規模 | 緩やかに回復・拡大傾向。趣味層の成熟と「体験型消費(レンタルレイアウト等)」が拡大 |
スケール構成 | Nゲージ主体(約75~80%)、HO約15% | Nゲージ優勢は継続。HO/大型スケールもディテール志向で一定ファン層 |
ユーザー層 | 中高年層中心だが、ライトユーザー層も存在 | 若年層や初心者参入が進むが、高価格帯との格差は残る |
SL模型人気 | 定番車両は安定した需要。限定品に強い反応 | デジタル時代とリアル趣味の共存。限定蒸気機関車は引き続き人気 |
🧭 結論
- 鉄道模型市場は、コロナ影響下で一時的な混乱があったものの、2023年時点で再成長モードにあり、特にNゲージ・HOゲージを中心に安定した需要があります。
- 蒸気機関車モデルも、特定車種や限定品を中心にコアな収集需要が継続中で、特に国内外の熱心なファン層に支持されています。
- 今後は、レンタルレイアウトや体験型サービス、デジタル制御技術、小規模ブランドの新機軸などが市場の拡張要因になり得ます。